ZARD 坂井泉水辞典 6

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「Even though I'm in love
Sometimes I get so afraid」
恋をしているけれど
時々とても不安になる


これはビリー・ジョエルの作品の冒頭の詞で、
最後の一行は、タイトルの「Leave a Tender Moment Alone」だ。

「I reach out
 For someone to hold」
誰かのぬくもりが欲しくて 手を伸ばす

これもビリー・ジョエルの作品で、タイトルは『Baby Grand』である。

死後出版されたオフィシャル・ブックでは、
『My Baby Grand ~ぬくもりが欲しくて~』
というタイトルの由来について、
坂井泉水がレコーディングの時に使っていた
玩具のピアノの呼び名が
『ベイビー・グランド』だったとは書かれていても、
ビリー・ジョエルの名前はどこにもない。

(始)「恋をしていても ときどき すごく不安になる」
(終)「Just leave a tender moment alone」

『My Baby Grand ~ぬくもりが欲しくて~』(作詞 坂井泉水)

作品の始まりと終わりの、
これほど見事な整合性はないにもかかわらずだ。
ということは、ビリーに対するオマージュではなく、
うしろめたい何かがあるのだろう。

少なくともこのやり方が非難された時のために、
この整合性は必要だったのだ。
引用という言葉を逃げ口上として利用するためだ。

ところが、彼女にとって幸いなことに、
誰も坂井泉水の詞など注目しなかった。
厄介な問題は何も起きなかった。

「ぬくもりが欲しくて」は、
『遠い日のNostalgia』と同じようにサビの部分だが、
『Vintage』を間に挟んで、
『My Baby Grand ~ぬくもりが欲しくて~』と
『運命のルーレット廻して』の歌詞の書き出しが
他のアーティストの文章だということには
注目しなければならない。

『Vintage』の内容が本当のことだとすれば、
この時期の坂井泉水は、
机の上の紙が空白状態だったということだ。



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©雪柳春雷
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